2015年8月14日金曜日

障害開示は視覚障害者のQOLを向上させる?!


皆様


こんにちは。Viwaの奈良里紗です。

暑い熱い夏、皆様、いかがおすごしでしょうか?


さて、今日は「障害開示」について書いてみたいと思います。

皆さん、「障害開示」って聞いたことありますか?

自分には障がいがあることを他者に伝えることを言います。


この障害開示は上手にできれば視覚障がい者のQOL(Quolity Of Life)向上に直結します。
でも、この障害開示の方法を指導してくれる場所ってなかなかないんです。
学校の授業でも、「障害開示」なんて科目ないですもんね。


では、どこで学ぶのか?

先天性の人の多くは親から教えられることが多いようです。
物心ついた34歳ごろには、
「自分は目が見えにくい、あるいは、目が見えないから困ったときは助けてね」
と、お友達に伝えるんだよと教えられてきた人もいれば、

「自分に障害があるってことに気づいたのは大学生のときでそれまで自分が目が見えにくいことは伝えたことがない」
なんていう人もいます。

視覚障がい児を育てる保護者や視覚障がい児を指導する教師の中には、
「障害」に触れることをタブーとして子どもに障がいがあることを伝えていないケースもあります。

でも、将来的に困ってしまうのはご本人です。

先天性で物心ついたときから障がいの伝え方を親から教えてもらっていた人は、
学齢期も自分の障がいを受け入れながら、成長していきました。
自立して就労していくようになると障害開示は色々な場面で必要となります。
特に、ロービジョン(弱視)の場合は、見た目で視覚障がいがあることがわかりにくいため、
この障害開示が重要です。


障害開示は、まだまだ奥が深いのですが、私が最近感じたことは、

小さいころから当たり前のように周囲の人に障がいについて伝えているかどうかは、大人になったときの本人のQOLに大きく影響するのかなということです。

 おそらく、障がいのない保護者の方は、子どもにそういうことを言わせることをためらってしまうこともあるかもしれません。

ですが、見た目ではわかりにくいからこそ、周囲に伝えていくことが大切なこととなります。
とはいえ、私自身も完璧にいつでも誰にでも抵抗なく障害開示ができているかといったらそうでもありません。大人になった今でも、いつのタイミングで伝えようか、どんな言葉で伝えようか、悩みますが、一つ言えることは、伝えないほうがよかったなと思うことよりも伝えておけばよかったと後悔することのほうが多いということです。


この夏、親戚の集まりはきっと視覚障がい児・者にとってあまり得意ではない行事だと思います。
それはどこに誰がいるのかわからない、たまにしか会わない従妹や叔父・叔母は皆同じ顔に見えてしまうからです。

 そんなとき、一言、「顔覚えられないからさ、自分の名前をいってもらえる?」とか、
「目が見えにくいから○○手伝ってもらえますか?」とか言えるか言えないか、大きいのではないでしょうか?

ぜひ、この夏「障害開示」にチャレンジしてみてください!!
「こんな風に障害開示してみた!!」など、皆様からのお便りを楽しみにしています。

viwa 奈良里紗

1 件のコメント:

  1. くめ こういち2015年8月17日 11:10

    「けろじい」こと、くめこういちです。弱視当事者、八十一歳男性です。障害開示はたいへん大切なテ-マであると思います。
    これを個人の問題としてではなく、社会の問題としてとらえ、世間一般の人々に理解を深めてもらえるようにしたいものと思います。
    そのために、当事者による当事者支援のためのviwaのような団体による活動を期待したいと思います。
    たとえば、外見からは分からない弱視者の存在を明らかにするための「弱視者マ-ク」を制定するなどの活動です。
    viwaのいっそうのご発展を祈ります。

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