2016年10月7日金曜日

【インタビュー】活法でよりよい世界へ

皆様

こんにちは。viwaの奈良里紗です。
今回は、社会で生き生きと活躍する視覚障がいの方にインタビューをしてきましたのでご紹介したいと思います。

まずはプロフィールを紹介します。


氏名:樋口 匡(ひぐち まさし)
出身:愛知県名古屋市
年齢:30歳
矯正視力:右:0.3 左:0.2
眼疾患:網膜色素変性症
視野:視野狭窄(右:5度ぐらい、左はどこがかけているかわからない)
略歴:
中学2年までは通常校に在籍。
中学3年生の6月から筑波附属盲学校へ編入。
大学進学後、1年で中退。
約1年間、フリーター生活を経てその後、筑波大学附属盲学校の専攻科へ入学。
鍼灸マッサージ師の国家資格を取得し、ヘルスキーパーとして勤務。
2015年「古武術活法院 ちはやふる」開業 
現在に至る。


ここからは、Q&A形式でご紹介します。

Q:現在のお仕事内容を教えてください
A:古武術から生まれた治療術の活法(かっぽう)を用いて、治療を行ったり、視覚障がい者に教えたりする仕事がメインです。
そのほかにも、古武術の指導やメンタルコーチングなど、色々なことをやっています。



Q:活法と出会ったきっかけは?
A:鍼灸師の国家資格取得後は、ヘルスキーパーとして勤務していました。
最初はヘルスキーパーの仕事が好きだったわけでも、やりたかったわけでもなく、ただ生計をたてていくための手段として働いていました。
でも、実際に働いていくなかで、自分の技術の限界を感じたり、それでも、もっと患者さんによくなってほしいという気持ちも生まれてきて、色々と勉強をするようになりました。
当時、80代前後のおばあちゃんを毎週2時間ほど治療していたのですが、そのおばあちゃんは50代頃から五十肩に悩まされていて、本当に腕があがらない状態でした。
医者には関節がかたまってしまっているからもう動くことはないと言われていたそうです。
そんなとき、たまたま目にした活法について書かれたブログで活法と出会いました。
そのブログから、治療の考え方を学び、おばあちゃんに「試してみてもよい?」と聞いたら、よいよというのでやってみました。
そうしたら、もう二度とあがらないと言われていた腕が嘘のように動いたんです。
自分でも信じられないような出来事で、何が起こってどうなったのか当時はよくわかりませんでした。
それから、職場で頭痛や五十肩、腰痛に悩んでいる人に自分が活法で学んだ手技を取り入れて治療したところ、患者の状態が改善し、感謝されることが増えていきました。
今まで、生計をたてるためだけの手段であり、何もやりがいを感じていなかった仕事に、やりがいを感じるようになりました。
1番は、人の役にたてているということがとても嬉しかったです。
それから、もっと活法について学ぶようになり、これはもしかしたら、視覚障がい者が学んだらもっとよいかもしれないと思い、今はこの活法を視覚障がい者に広げるための活動をしています。


Q:活法はどこで教えているのですか?
A:勉強会は3箇所で実施しています。
毎週水曜日の夜(成増駅周辺)
毎週木曜日の夜(国立駅周辺)
毎月第2土曜日(水戸駅周辺)



Q:この勉強会に興味のある人はどこへ連絡すれば情報を得ることができますか?
A:以下の連絡先までお問い合わせください。
古武術活法院 ちはやふる
e-mail: chihayafuru.kappo@gmail.com
tel: 090-5790-6472


Q:勉強会の様子はどのような感じですか?
A:勉強会に参加する視覚障がい者は、実際に仕事でヘルスキーパーをしている方や理療について学んでいる学生、盲学校の専攻科で理療を教えている教員等、様々です。
毎回、最初に座学をやったあとに、参加した方が実際に抱えている患者の状態を共有し、治療方法についてアドバイスをしています。
座学だけではなく、実技もあるため、1回の勉強会の定員は10名程度でとてもアットホームな雰囲気で、でも熱心な方々の集まりです。


Q:最近、賞を受賞されたとうかがいましたが、受賞のきっかけは何だったのでしょうか?
A:きっかけは作文を書いたことでした。
「私は自分の仕事が大好き大賞」というものがあり、そこに作文を書いて送ったんです。
大賞をとると、その作文が本になって出版されるんですが、僕は視覚障がい者がこうやって働いているということをもっと多くの方に知ってもらいたい!
そんな気持ちもあって、これまでの自分を振り返った作文を書きました。
すると、驚くことに賞を受賞することができ、2016年10月18日開催のイベントで5,000人の前で自分の仕事について紹介する機会をいただくことになりました。
視覚障がいのある方はもちろん、本人を支える家族、盲学校の教師や眼科の先生等、幅広い方々に来ていただいて話しを聞いてもらえたら嬉しいです。

イベント詳細URL: http://watashigo.org/


インタビューの内容は以上です。


今回、「私は自分の仕事が大好き大賞」の受賞がきっかけでインタビューをさせていただいたのですが、樋口くんと私は同級生だったり、樋口くんは名古屋出身だったりと、何かと共通点もあり話は盛り上がりました。
また、樋口くんの仕事に対する熱い思いや、その行動力には刺激を受けました!
ちなみに、専攻科時代に出会った素敵な奥様との間にそろそろ赤ちゃんも生まれる予定だそうです。
妊娠中の奥様を気遣って、活法やマッサージをしているなんて、素敵な旦那様としての姿も垣間見ることができました。

これからの樋口くんの活躍に期待したいと思います。

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