2011年5月26日木曜日

【エッセイ】弱視の見え方の不思議さ~文字について~

皆様


こんにちは。viwaの村上です。

viwaのブログ上でも紹介させて頂いているように、私は弱視(ロービジョン)です。
自分でいうのもおかしな話ですが、弱視の見え方は人により異なりますし、見え方をどう伝えればいいのかわからないことだらけです。とても不思議です。

そこで、私が感じる弱視の見え方の不思議さについて、少しご紹介していきたいと思います。
あくまで私個人の見え方に対しての不思議さです。また一人の当事者としての立場で書かせて頂きますので、その点はご理解頂き、エッセイとしてお読み頂ければと思います。


今回は、「文字の見え方」の不思議さです。


私は、文字を読むことが好きで、電車の中などでも本や新聞を読むことがよくあります。
朝は、満員電車の中で朝刊を読んでから、文庫本を開く。そんな毎日です。

新聞や雑誌、本を読むときは、ルーペ片手に文字を追っています。
もちろん、ななめ読みや1ページ全体を視覚情報として得ることができないので、速読は難しく、読む時間はかかってしまいます。
当然、眼精疲労もたまる一方ですから、休み休み読み進めています。

でも、好きだから、ついつい読んでしまうんですよね。


新聞や雑誌、本を読むうちに、ちょっと不思議なことを見つけました。

それは、文字の大きさ(サイズ)だけで、読みやすくなるわけではないということです。


例えば、
・○○文庫だと読みやすいけど、△△文庫は読みにくい
・○○新聞は読みやすいけど、△△新聞は読みにくい。
・単行本よりも文庫本の方が読みやすい
・拡大コピーや16ポイントくらいに編集した文書は、電車では読みにくい。
などが良くあります。


あくまで私の見え方ですし、もしかしたら私の勝手な好みかもしれません。
ですが、次のようなことが考えられるのかなぁっと思っています。


・○○文庫だと読みやすいけど、△△文庫は読みにくい
同じような文字の大きさをしている文庫本。
でも、よくみるとちょっとした違いがあります。
文字の字体が違う:明朝体なのかゴシック体か。またちょっと横に長い文字か立に長い文字か。
文字と文字の間隔:文字と文字の間隔が開きすぎていないか。また近すぎないか。
行と行の間隔:行間が広くないか。行間が狭くなっていないか。
��行が行替えまで長くないか:上から下、左から右までルーペを動かす範囲が広くなります。


ただ、同じ文字の大きさ(サイズ)でも、このような違いがあるだけで、読みやすさって変わるものです。
これは新聞や雑誌にも同じことがいえます。


・単行本よりも文庫本の方が読みやすい
これは、ルーペを片手で読んでいるため、
もう片手で本を支えることになります。
この時、仮に文字が大きい単行本であっても、
大きくちょっと重いハードカバーの単行本は、片手で支えにくくなり、読みにくくなることがあります。文庫本の方が、移動しながら読むときは、気軽に持ち歩けるのかもしれません。


・拡大コピーや16ポイントくらいに編集した文書は、電車では読みにくい。
文字の大きさや字体は理想的です。むしろテキスト化したものであれば、自分好みにアレンジできます。
ですが、移動しながらピラピラの紙媒体を読むのはちょっと大変。スペースもとってしまうので、ちょっと読みにくくなります。
紙を折りたたむことや、クリアファイルなどの台紙を用意して、安定した状態にすると読みやすくなります。


このように、ただ文字が大きいことが、読みやすいとは言えないのかなっと思います。
文字の種類や文字を読む環境によっても、読みやすさは左右されます。


ディジタル化の中で、文字の扱いも変わってくると思いますが、
弱視にとって、文字とのかかわりには不思議なことがあるなぁっと改めて思いました。


感想などありましたら、お寄せください。


今回は、ここまでに。失礼します。



Key word
文字, 字体, 行間, ディジタル化

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