2013年3月31日日曜日

視覚技塾 vol.5 ご報告

皆様
こんにちは。viwaの奈良里紗です。
東京では桜が見頃を迎える中、視覚技塾vol.5を開催しました。

天気は快晴、まさに春爛漫の陽気の中、たくさんのご家族に参加いただきました。
今回は、国立障害者リハビリテーション病院が会場であったということもあり、また、病院の患者会である愛eye会トコロキッズのご協力もあり、病院にかかられている患者さんのご家族、それから、viwaのブログをみて参加いただいたご家族、また、知り合いから誘ってもらって参加されたご家
族、色々なご家族がいらっしゃいました。

今回は、視覚障害当事者で成人した子どもと健常者のお母さんにきていただき、そのライフストーリーについて語っていただきました。

なかなか親子両方から同時にお話を伺う機会というのはなく、また、話題提供いただいた親子にとっても、笑いあり、涙ありの人生を人前で話すというのは、恥ずかしい部分や気が引ける部分があったのではないのかなと思います。
そんなviwaスタッフの予想とはうらはらに、はにかみながらも、生まれたときや受障時期の頃のことを、参加されていた親御さんが思わず笑ってしまうような切り口で、ざっくばらんにお話をしていただきました。

私も聞いていて思ったのは、健常者である母親と障害者である子どもの間には、幹事方に相違があるということです。
障がいがないお母さん・お父さんにとっては、障がいがあることをとても重く受け止めているのですが、障がいのある子ども本人は意外とあっけらかんとしているということはよくあります。

今回もそんな親子の障がいへの感じ方の違いが浮き彫りになっていたように思います。
親子からのパネルディスカッション終了後は、弱視学級を担任されている先生からの事例報告がありました。
これも大変有意義な報告でした。
特に印象に残っていることとしては、下記の2つです。

一つ目は、「自己肯定感」がもてるような指導をされていたということです。
弱視の子どもの多くが、たくさんの失敗経験を重ねていくうちに、自分自身に自信がもてなくなってしまいます。
また、弱視学級での指導は、学習面に力をいれた指導になりがちで、弱視レンズや単眼鏡等の視覚補助具をいかに活用するか、そういった訓練の時間にあてられがちで、本人が自分の障がいを他者に伝えるノウハウを育む時間はなかなかとれていないのが現状だと思います。

そんな中、私の見え方紹介カードを活用して、自分の見え方を周囲の人に伝えられるような力を小学校2~3年生でやっているのです。これには驚きました。
大人でも、そのわかりにくさから、自分の見え方を説明することに苦労している人は多いのに・・・すごい!と思いました。

二つ目に印象に残っていることとしては、全校の教職員に対して、弱視への理解を促す研修会を実施していたことです。
なかなか現場では時間もないですし、弱視学級の先生が学校全体の研修会を担当するというのは、難しいところもあるかと思います。しかし、そこを上手く調整して、国リハの協力も得て、研修会をされていたことには驚きました。

小学校では、主に関わりがあるのは担任の先生ですが、やはり、学校全体で弱視について理解をしていただいていると、子どものちょっとした行動に対しても適切な指導を行うことができるのではないかなと思っています。特に、弱視は見た目ではわかりませんから、本人はそのつもりはなくても、教員から叱責を受けるということも多々あります。見た目ではわかりづらいので仕方ない部分もありますが、これが幾度も繰り返されることによって、先ほどの自己肯定感が失われていくことにつながります。

実際に弱視学級でなされている取り組みが具体的にわかり、そして、とてもわかりやすい説明でしたので、本当に有意義な事例報告だったと思います。

最後に、グループにわかれて、自己紹介や情報交換を行いました。
それぞれのご家庭で抱えている悩み、困難はあるものの、「うちも同じ!」や「うちの子も少し前はそうで、こうやったらできるようになったのよ」など、先輩ママからの助言、同級生ママの共感といった、なかなか普段味わうことのできない時間にんったのではないかなと思います。

地域で生活をしていると、弱視の子どものいる課程はうちだけということも多いかと思います。ですので、こういった機会にぜひつながりを作っていただき、情報交換ですとか、日頃感じている育児困難感を共有して、明日へとつなげていただけたらと思います。
こんなふうに、大人の会が盛り上がっていたわけなのですが、子供たちは子供たちで楽しい時間をすごていたようです。

今回は、川越にあるおもちゃ屋さん「ちいろば」(http://www.chiiroba-toys.com/)の協力をいただきまして、触って、聞いて楽しめるおもちゃを持ってきていただきました。
おもちゃ屋さんのご提案で羊毛を使った音のなる手作りボール体験をしました。
弱視のお子さんも、障がいのないご兄弟も一緒に楽しい時間が過ごせたようです。
中学生以上のお子さんは、中・高生同士で何やら小さな声でたくさんのお話をしていました。親がとやかくいうのは難しい年頃なので、同じ障がいのある仲間同士、色々な話ができたのではないでしょうか。

そんなこんなで、あっという間に会は終了の時間となりました。
この機会をきっかけに、また、少し困ったことがあったら、気軽にviwaに連絡をくださいね。また、今回来ることのできなかった方も、ぜひ、次の機会にいらしてください!

最後になりましたが、ご協力いただきましたボランティアの皆様、本当にありがとうございました!皆様の協力なくしては、こういった会の運営はできません。皆様のおかげで、特に怪我等もなく、無事に一日を終えることができました。この場をお借りしまして、改めて、御礼申し上げます。
viwa 代表 奈良里紗

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