2024年6月23日日曜日

地域の学校で学ぶ弱視生徒の合理的配慮


こんにちは。viwaの奈良里紗です。
さて、今年度、viwaでは様々な合理的配慮に焦点をあてて活動をしております。

今回はパパママ会に参加してくださっている保護者の一人から、娘さんのこれまでの合理的配慮に関する体験談を寄せていただきました。

現在、高校生の娘さんの合理的配慮から、
そこに至るまでの道筋も含めて書いてくださいました。
とても読みやすく、どんなふうに保護者が学校や関係機関と連携しながら娘さんの教育環境を整備されていったのかがよくわかります。

ぜひ、読んでいただけたらと思います。

ここから

見え方
先天性の全色盲、弱視、眼振有り
色の判別がつきにくかったり見えにくい色があったり、目から20センチ程度以外ははっきり見えていない
眩しさに弱い

現在、高校一年
高校での合理的配慮について、中学校1年生のころから希望する高校へオープンキャンパスに通い3年生になるまでに何度も相談に乗っていただきました。
オープンキャンパスは中3向けといわれるかもしれませんが、中学校側にも許可をとり1年の頃から通いました。

ある程度、その時に先生や生徒さん方の対応や雰囲気がわかります。

結果、希望する高校へ入学でき、相談窓口となってくれる先生もしっかりと対応し続けてくださっています。

同じ視覚障害でも配慮内容が同じ子はなかなか居ないので先生方も未経験です。

その都度、試しながらお互いに良い方法を模索し続けています。

入学前にお願いしていた配慮
・拡大読書器、斜面台、iPad等の見やすくするためのもの持ち込み許可
・教科書はUD(電子教科書)利用許可
・席は眩しくないようカーテンを閉め、窓際の一番前に固定。(見易さ、機材の置き場の為)
・下駄箱、傘立て、白杖たて、ロッカー等の荷物の置き場所を見つけ易い場所に固定
・テストの時間を1.3倍に延長、問題用紙と解答用紙の拡大(大学受験でも可能な配慮)

高校生活が始まってから対応していただいた配慮
・課題等で書き写す作業が多すぎ睡眠時間を確保できなくなったので違う方法を提案していただけた(目が疲れると眼振の揺れが酷くなり、ますます大変な作業となる為)
・部活動では遠征等もあるため、顧問の先生と不安なポイントを共有
・写メを撮影することはなかなか許可もらえませんが、板書や掲示物等、必要に応じて対応してもらう

といった具合に高校生活をスタートさせています。

我が家の配慮の基盤は幼稚園の頃に出会えた大学教授たちのおかげで確立できたものです。
ここが一番のポイントだったので、小学校入学について書きたいと思います。

まず、入園頃から視覚障害の為に通っていた病院に教育相談の時間がありました。

その担当は一人の大学の先生でした。その先生は何かあれば、幼稚園や学校側に直接話をしてくださるという立場も示してくれる心強い存在でした。この場でたくさんの相談をし、情報を得ました。

娘の場合は、普通学級の履修科目を履修した方がよいと決断。
iPad等、最先端の物を利用しながら普通学級についていくための研究をされている他の大学教授の情報得て、そちらの大学まで教育相談に行きました。
そのご縁が小学校生活に大きくかかわりました。

入学にむけて
年中の頃から、行きたい小学校(地元学区の小学校)に相談に通う。
校長、教頭、養護、コーディネーター、対応してくださる先生は学校によると思いますがコーディネーターの先生がいれば支援についての知識や経験が豊富で安心できました。

入学直前1月に視覚支援級を作れることになり、ひとりだけの支援級を作って入学することになりました。

小学校には盲学校や大学教授とも連携をとっていただきながら環境を整えていくことに同意してもらい
小学校での生活がスタートしました。

・斜面台、拡大読書器、拡大教科書等、必要なものを学校や自力で準備
・支援級のひとりとして入学し、ひとりの時間も多いところからスタート
高学年になるにつれ交流級でほぼ過ごす方向へ(高校では支援級は無いので)
・盲学校や大学教授の指導を受け、取り入れることができる物事を担任が実行してくださった
・受験時間1.3倍や拡大プリント、見易いフォントの利用(大学受験でも可能な配慮を見越して実績を積む)
・高学年になったころUD(電子教科書)開発が進み、利用可能となった

はっきりいって、初めに担任をしてくださった先生に恵まれました。
大学教授も、研究対象として小学校まで毎年足を運んでくださり、担任も勉強熱心に取り組んでくださったおかげで、しっかりとした視覚支援級の基盤が出来上がりました。

親として思うところは
研究されている教授の「当事者の視点と教師側の視点から物事を見る」ことができる立場から、視覚障がい者に対する配慮の考え方をアドバイスいただけることは説得力もあり、私にとっても目からうろこもあり、所属先の学校の先生方への理解を深めるのに一番助かったということです。

はっきりいって、自分も娘の為の環境づくりに最善が何なのかわかりませんでした。
何もかも、配慮だといって甘やかすと子供の成長の妨げになることもありますし、遠慮して厳しい環境においたままだと成長できたはずのことを見逃しほとんどを諦めてしまうことになりかねない。

ただの親とただの学校の先生だけではなかなかこの環境はできなかったと思います。
我が家の場合は教育委員会もですが、大学教授4名、盲学校、奈良さん等、多くの相談窓口があります。

全てと深く関わっているわけではありませんが、何かあったときに相談できる場所として頭にはあります。
この障害での生活について勉強されている方々の多くの知識と情報と協力を必要としました。

ちなみに、
中学は義務教育なので小学校からの実績をそのまま受け入れてもらう形でほぼいけました。
小5の頃から中学校にも相談を持ち掛けました。
教科担になる為の相談等必要だと思います。

登校から下校までほぼ交流級ですが、最低限の時間は一人授業も必要となる為、数学、美術等、数科目選択
3年間の支援級担任が教育者として残念な方だったことに加え、コーディネーターもおらず、残念ながらコロナ渦になり大学教授が直接来校いただけなかったことも重なり、後遺症の残る大怪我をしてしまった多くの後悔が残る3年間となってしまいましたが、その経験からの学びも踏まえ、高校では交流級のみの一般生徒として初めての生活をスタートしています。

ちなみに中学では3年生の一年間を高校へ向けた練習の為、支援級をやめる選択肢もありました。

ここに書ききれていない配慮も、それぞれの先生が考え対応してくださった配慮がたくさんありました。

良かった配慮は続けてもらいデータ化すると、進学先にもその実績を伝え、引き継いでもらえる可能性が高くなります。

障害の違いで配慮も変わってきますが、それを理解し相談に乗ってくれ、生産性のある発言をしてくださる先生を見つけ相談窓口として関わっていただくことで、随分と話しやすくなると思います。

ここに書いた内容が自分の学校でも可能な配慮かもしれないと、少しでも背中を押す判断材料になればとおもいます。


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