2011年11月4日金曜日

小学校の選択と入学後の配慮について ~私の経験~


こんにちは。 “viwa”の渡辺です。

 小学校の選択について、奈良から概論的な記事か出ていますので、私からはひとつの具体例として、自分の経験を書かせていただきます。 
ただ、今から35年も前のことになりますので、現在とは状況が異なることもあろうかと思います。
それでも、きっと変わらないこともあって、少しでも参考にしていただけることがあればと思います。

 私は先天性の弱視で、当時の視力は右が0.1、左が0.06でした。
斜視、視野欠損もあります。

<私の就学状況>
小学校は横浜市で、公立(横浜市立)の普通校を選択しました。
その後、小・中・高・大と、すべて普通校です。
 小学校1・2年生の時だけですが、弱視学級のある学校に電車通学しておりました。
普通学級で授業を受けた後、放課後にプラス1時間、弱視学級で単眼鏡やルーペの訓練や補習を受けておりました。
弱視学級で単眼鏡やルーペの使い方を習得したことは、未だに仕事・生活の場で活かされており、弱視学級に通ったメリットは大きかったと思っています。

 2年生から3年生に上がるとき、担任の先生の勧めで、弱視学級の無い地元の小学校に転校し、以後は大学まで弱視学級や支援の先生の無い環境で過ごしました。
担任の先生が私の学習状況を見て、これなら弱視学級がなくても勉強についていける、むしろ地元の友達と放課後に一緒に遊ぶような経験が出来た方が良い、と判断してくださったようです。
これば奈良が書いている『教育の場をかえる』一つの例と言えると思います。

<小学校選択のきっかけ>
小学校の選択は、やはり私の両親も大変迷ったそうです。
普通校で大丈夫なのか、盲学校に行かせるべきか。
 普通校に行かせたい気持ちはあったようですが、それを後押しして決断させてくれた一番のきっかけは、当時の主治医の言葉だったそうです。

 当時私は国立小児病院(現・国立成育医療研究センターの前身)に通院しており、そこで故・植村医師から
『この子の見え方なら普通の子供としてやっていける。外見からは障がい者だと分かりにくいので、将来も健常者と同じ扱いをされることが多いはず。だから、普通校に行かせなさい』
と強いアドバイスをいただいたと聞いています。

 弱視学級については、当時の横浜市には一校しかなく、認知度も低い状況てした。
両親は新聞で読んで存在を知ったようです。
母はたまたま記事を見つけたと言っていますが、おそらく、新聞等での情報収集は相当してくれていたと思います。
 その新聞記事を持って、主治医に相談したり、直接その弱視学級に相談に行ったりしたそうです。

<学習環境・配慮など>
私が1・2年生のときに通っていた小学校は、京浜工業地帯のど真ん中にあるような学校で、周辺は住宅より工場の方が目立つような立地だったため、生徒数はかなり少ない学校でした。
1クラス35人程度て、1学年に2クラス。
今思えば恵まれた環境だったように思います。 
普通学級で特別に配慮していただいたこととしては、
座席を前から2列目にしていただいたこと
入学当初に担任の先生が何度か板書の文字の大きが十分か確認して下さったこと
などがあります。
 ただ、そういったいわば“ハード的”な配慮も大事でしたが、私にとってより大きかったのは“ソフト的”な配慮だったように思います。

例えば、担任の先生は私のことをよく“適度に”おだててくれていました。
授業中に手を挙げて正解を言ったり、国語の教科書がスラスラ読めたり、宿題をきちんとやって来たり、そういったちょっとしたことを『さすが渡辺くん!』とう感じでよく褒めてくれました。

ときには、他の生徒の前で褒められることもありました。
ちょっとした事ですが、そういった事の積み重ねが、自信に繋がっていったのだと思います。
今思うと恥ずかしいですが、当時の私は勉強にはそれなりに自信を持っていました。

 配慮とは少し違いますが、もう一つ。担任の先生の言葉で私にとって大きかったのは、国語の授業て教科書が新しい章(単元)に入る前に『必ずお家でお父さんかお母さんの前で教科書を3回読んで来なさい。そして、教科書に、3回読みましたって書いてもらって来なさい』という宿題というか、アドバイスです。

これについては、別の記事に詳しく書いておりますのでそちらをご参照ください。
記事のURLは下記です。

<友達関係> 
友達関係については、担任の先生がおだててくださった効果で、クラスメイトから『勉強ができる子』として一目おかれるようになっていたせいか、 1・2年生の時はいじめられることもほとんと無く、大きな問題はありませんでした。

ただ、休み時間に校庭で遊ぶ時、離れたところにいる友達を自分から見つけることができないので、はぐれてしまうのがとても心配だったり、そういったちょっとした悩みはありました。 
友達関係では、むしろ小学校3・4年生の頃の方が悩みが多かったように思います。
この頃についても別の記事で書いておりますので、そちらをご参照いただければと思います。
記事のURLは下記です。

以上、長々と書いてまいりましたが、いろいろな情報収集をし、普通校への入学を決断してくれた両親、そして、適切なアドバイスを下さった主治医の先生、小学校1・2年の担任の先生に、今でも感謝しております。


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