2012年9月16日日曜日

【ご報告】:視覚技塾vol.4「メイクセミナー」開催しました!


皆様
こんにちは。viwaの奈良里紗です。
さて、ここでは、9月1日(土)に実施した弱視の女性向けメイクセミナーの様子をお伝えできればと思います。

【実施までの経緯】
さて、今回のセミナー視覚技塾なのですが、もともとは、viwaスタッフの山本がカネボウ化粧品に勤務していたことがきっかけでした。
山本は、強度の弱視でありながら、いつもviwaのMTGに来るときには、きれいにお化粧をしています。
視覚障がいのある女性にとって、お化粧をしてきれいになりたいという気持ちはあっても、なかなか上手にできなくて、結局、あまりお化粧をしないでいることって多いですよね。
でも、山本は「見えない・見えづらいからできない」という思い込みを根底から覆すほど、健常者からみてもきれいにお化粧をしているのです!
そして、山本は自分の経験から、
「視覚障がいがあっても、メイク道具を工夫したり、やり方を工夫して、ちゃんと練習すれば、きれいにお化粧ができるようになるんだよ!」
というメッセージを視覚障がいのある女性に伝えたい!という熱意から、今回の企画がスタートしました。

【弱視女性向けメイクアップ法の考案】
セミナー実施に向けて、カネボウ化粧品の美容研究所のメンバーが、弱視の女性から具体的にどんなことが困難であるかをヒアリングしてから、視覚を利用せず、触覚を活用したメイクアップ法を考案。
これを数名の弱視女性に協力してもらい、テストした上で、本番を迎えることとなりました。
私自身、とても驚いたのは、美容研究所のメンバーがとても熱心にメイクアップ法を考えてくださったことです。
目をつぶってもできるかどうかを、実際に目をつぶった状態で何度も練習しながら、やり方を考えてくれたそうです。
このやり方だと、塗ることはできても、ムラができやすい、このやり方だと粉がつきすぎてしまう・・・と、様々な試行錯誤をこらしてくれていました。
私たち当事者は、具体的に自分が困難に感じていることを伝えることはできても、
それをどのようにしたら上手にできるようになるのかを自分自身で考えることはとても難しいし、
そもそも、自分の目では、上手にできているのかどうかが確認できないので、このような美容研究所のメンバーの取り組みには大変感激しました。

【当日の様子】
当日は、カネボウ化粧品本社にある美容研究所を会場として利用しました。

当日は、マンツーマンでレクチャーを受けました。
下記の写真は、当日のテーブルの様子です。
個人個人のテーブルに大きな鏡と、当日、使用するお化粧品がセットされています。
これを見ただけでも、テンションがあがります!
ちなみに、写真右側に写っているボトルは、先日、ブログでも少し紹介したポンプタイプの化粧水です。
 
当日は、午前7名・午後7名の合計14名の視覚障がいのある女性にご参加いただきました。
年齢も10代から60代の方まで幅広い年代の方にお越しいただきました。
メイクの経験も今日が人生初めて!という方もいれば、一般的なメイクはある程度できるから、もっと、スキルアップしたい!という方まで様々。

下記の写真は参加者と担当のカネボウ化粧品のスタッフが会話をしている様子です。
参加者のみなさんも最初は少し不安&緊張した面持ちでしたが、お化粧の実習が始まるやいなや、実習に夢中になって、あっという間に時間がすぎてしまいました。

さらに、当日は新聞記者の方にも取材に来ていただきました。
そして、9月4日の朝日新聞朝刊(都内版)にてセミナーの様子が取り上げられました!!
以下のURLは、会員でない方は全文を読むことはできませんが、セミナーの様子が少し垣間見ることができるかと思います。


また、当日は山本をはじめ、カネボウ化粧品のスタッフの方々が厳選した
視覚障がい者にも使いやすいであろう化粧品やこんな種類の化粧品もあるということを知ってもらうために、お化粧品の展示コーナーも設置してありました。

下記の写真は当日のお化粧品の展示コーナーの様子です。
左側から、アイブロウ・マスカラ・アイライナー・アイシャドウ・口紅・チーク・ファンデーション・化粧水と各カテゴリごとに様々な種類のお化粧品が並んでいます。
これだけのお化粧品を一度にじっくり触って観察できる機会もあまりないですよね。



なお、カネボウ化粧品のホームページにも今回の取り組みが掲載されました。
以下のリンクをクリックするとPDFファイルが表示されます。


【奈良のお化粧の結果】
ここでは、実際に私がレクチャーしてもらった写真を掲載したいと思います。

まず、チークがよくわかる横顔からです。


弱視の女性にとって、「色」が関わるお化粧はとくに苦手意識が感じられるものです。
なぜなら、色の濃淡がわからなういために、濃くつけすぎてしまうことがあるためです。
何より、上記の写真をみて、私自身の目ではチークがどのようになっているのか確認することができません。
今回のセミナーでは、どうやったら、濃くなりすぎずに、適切な場所にチークをつけることができるのかをレクチャーしてもらいました。

次に、アイメイクです。
私はせっかく教えてもらえる機会なので、ふだんはあまり使用しないマスカラも使ってみました。


驚く程、きれいにまつげ1本1本につけることができました。
正直、マスカラはあまり使ったことがないので、難易度としては高いほうだと感じましたが、
こうやれば、自分でもできるんだということを知ることができたので、これから練習して自分でも上手にできるようになりたいなと思いました。

最後にすべてのメイクを終了したときの写真です。


自分でもメイクする前とあととでは、あきらかに、顔の明るさが違うなと感じました。
すべてのメイクアップをして感じたことは、お化粧って楽しいなってことです。
今までは、女性のたしなみ程度にしか感じていなかったお化粧ですが、自分でも好印象に仕上がるメイクができることを知り、これから、もっともっと、やってみたいという気持ちになりました。

私たち視覚障がい者は、人とコミュニケーションをとりながら、サポートをしてもらったり、できないことを補ってもらったりすることがあります。

こういったとき、自分自身がきれいだったら、自身をもって、人と接することができるだろうなと思いました。


最後になりましたが、今回、メイクアップセミナー実施にあたり、熱心にメイク法の考察に取り組んでくださった美容研究所の皆様、様々な面でバックアップくださいました広報・プランディンググループの皆様に心より感謝申し上げたいと思います。







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