2012年10月7日日曜日

お母さん、どこにいるの?~見えない・見えにくい子どもの不安~

皆様

こんにちは。viwaの奈良里紗です。

10月に入り、ようやく、すごしやすい秋がやってきましたね。
この秋は、久しぶりにスポーツの秋でもしようかなぁと考え中の今日この頃です。

さて、今日は、3歳~6歳ぐらいの子どものお話です。
まだ、言語発達も発展途上ですから、何を言いたいのか、
何を考えているのか、どう感じているのか、
保護者の皆さんは革新をもつことができない時期ですよね。

「うちの子、分離不安が強くて」
「なかなか友達の輪に入って遊ばない」
「動きのある遊びをしないで、ずっと、座って遊んでいるけど、大丈夫なのかしら?」
と、障がいのないお子さんと比べて、遊び方や発達が気になるころですよね。

私たち当事者からしてみれば、そんなこと当たり前なのですが、障がいのないお母さんやお父さんはどうしてうちの子はこうなんだろうって悩んでしまうようです。

◆分離不安が強いのはなぜか?◆

弱視の子も全盲の子も、ママやパパと離れたら、どこにママやパパがいるか探すことが大変だからです。
くっついていないと不安なのです。

これ、大人の私でもあります。笑

対象は親ではないですが、初めて行く、例えば、コンサート会場にいったとして、友達と離れるのはとても不安です。
座席についていて、友達がトイレにいっているならよいのですが、ちょっと、離れてお互い自由に買い物をしようなんていうと、自分からは友達を探しだすことができないわけですから、不安です。
まぁ、私には携帯電話がありますから、はぐれてしまったら、それで呼び出せばよいので、子どもほどの不安はありませんが、私ですら、不安になるのですから、小さな子どもたちは、とても不安なんですよね。

分離不安があるということを、ネガティブにとらえる必要はないと思います。
むしろ、それが普通なのです。
だから、安心して自由に動けるように、例えば、講演にいったら、
「ママはこの水道の横にあるベンチにいるから遊んでおいで」等、
ママと離れても、自分でママのところに戻れるような方法を教えてあげると安心して動けると思いますよ。

◆友達の輪に入って遊ばないのはなぜ?◆

これも、親からみれば、深刻な問題ですよね。
3歳すぎから、子どもは一人遊びから集団遊びへと遊び方が変化していきます。
でも、弱視や全盲の子どもは、なかなか集団遊びをしようとしません。
これは、なぜなのでしょうか?

成人になった弱視や全盲の人にお話を聞くと、
「あの頃の遊びって、怖いんだよね」
「急に、横から人が飛び出てきたり、急に、ボールが飛んできたりして、怖いから、動かないで、じっとしていた」
「動くと危ないから、じっとしていたけど、周囲の状況は聞いて理解しようとしていたなぁ」
などなどといっていました。

そうなんです。

幼稚園ぐらいの子どもの遊びってとっても激しいんですよね。
スピードもあります。

だから、どうしても弱視や全盲の子は、
「楽しい」よりも先に、「怖い」「危ない」という気持ちが先立つのです。

でも、これも決して悪いことではありません。
それだけ、周囲の状況を理解できるようになってきているということです。

もうひとつ、遊びに参加できない理由として、
見えない、見えにくいから、お友達が何をして遊んでいるのかがわからないということがあります。

子どもって特に何も教えたりしなくても、見よう見まねで遊びを覚えていくんですよね。

これができないんです。

だから、周囲に大人がいるのだとしたら、今、周囲でどういうことがおきているのかを説明したり、その子も参加、体験できるように工夫してあげるとよいですよね。

例えば、ボードゲーム。
オセロをやるときも、白と黒の丸い磁石の入ったものがあって、
自分が黒だったら、黒と黒で白をはさむと、白を黒にすることができるんだよと、実際の、オセロを触りながら、教えてあげます。
できれば、オセロは触ってわかるようなもの(視覚障害者用のものでもよいですし、片面にシールをはってあげるとかでもよいと思います)があるとよいですよね。

ただ、本人には、あまり面白さがわからないかもしれません。
そのときは、興味がでてくるまで待ってあげましょう。

小さいころはどうしても発達の差も大きくて、
気になることが多くあると思いますが、気にしすぎなくてもよいかと思います。

もちろん、放置していてよいというわけではないので、発達にあわせて、適切な支援をしてあげましょうね。

もし、今、お子さんのことでとっても悩んでいらっしゃる方がいるようでしたら、まずは、誰かにその悩みを離してみてください。

視覚特別支援学校の教員でもよいかもしれませんし、
医療機関でもよいかもしれません。
もちろん、我々、viwaスタッフでもかまいません。

一人で悩みを抱え込まずに、必ず、解決方法はあります。
そして、必ず、子どもの行動には原因があります。
それを知れば、そんなに苦しい気持ちにならずに、もっと、子ども自身をみつめて、楽しく子育てができるのではないかと思いますよ。

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viwa 奈良里紗

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