2020年5月14日木曜日

視覚技塾 視覚障害教育におけるオンライン授業に関する情報交換の場

皆様


こんにちは。viwaの奈良里紗です。

本日は、先日に引き続き、視覚障害教育に携わる方々と一緒に、オンライン授業をテーマに情報交換を行いました。
平日のお忙しい時間にも関わらず、全国から約20名の先生にお集まりいただきました。ありがとうございました。

下記は、今回、司会をしてくださった静岡県立静岡視覚特別支援学校の片平(海野)考美先生からのご報告です。

**ここから
本日のオンライン授業の情報交換会を設定していただきましてありがとうございました。
たくさんの意見や、情報が飛び交って活発な情報交換会の場となったこと嬉しかったです。
私もまだオンライン上の司会は不慣れなので、とてもよい経験になりました。
今回の視覚技塾の内容と感想をお伝えさせてください。

①オンライン授業の今後について
コロナ禍での突然の休校中の対応として注目を集めているオンライン授業については、目的をしぼり活用していくことが大切。どの授業でもそうですが、ITを使うことが目的ではなく、授業や児童生徒の学びの場の保障のためにオンライン授業を設定するということが大切。すべての学習に対応できるものではない。授業者がしっかりと学習内容、目的を明確にし実施していく。
コロナが収束後も、冬場にまた流行した際に活用手段としてどの教師がしっかりと使いこなせるようにしておくことも大切。(もちろん、得て不得手があるので、教師間の協力体制づくり連携も大切。)

②理療科教員、視覚障害当事者教員の専門性
研修会に参加したほとんどの先生が盲学校歴が長い当事者の先生、理療科の先生方でした。盲学校の専門性をこれからも支えていく先生方は、とても熱いです。研修を深く積まれています。新しい情報にも貪欲でした。
一番びっくりしたことは、松山盲の理療科の先生が他学部の状況をよく理解されていて、他学部がオンライン授業をどのように実践しているのか答えられていたところがすごいなと思いました。オンライン授業の発信は、理療科からでした。その後、他学部へと研修の場を広げ、全学部でオンライン授業の実施を実現できたそうです。自分の学部以外の先生方との情報交換の場や他学部の先生方の困りごとに目を向けていらっしゃるところが素晴らしいなぁと思いました。そして、理療科の先生方が作られているインターネットを介したドリル教材がすごいと思いました。全国で共有できたらいいですね。理教連ではもうやられているのかもしれませんね。

③オンライン研修会の重要性
すでにJVTのテレフォンコンファレンスでも実感していましたが、今回のオンライン情報交換会では、県に1校しかない盲学校の先生方でも自分が疑問に思ったことを他校の先生方にタイムリーに聞ける場は、とても大切だと思いました。他校が実践しているという例は強みにもなりますよね。静岡視覚では、管理職の先生にも聞いてもらえていたことは大きかったと思います。

他の先生方が疑問に思ったことを聞いているだけでもとても勉強になりましたし、質問に一生懸命答えて下さる先生の存在もとてもありがたかったです。
本当にありがとうございました!
**ここまで

片平先生、全国の盲学校の先生方へのお知らせ、当日の司会、そして、レポートまでありがとうございました!
私も先生方の活発な議論を聞いていて、とても勉強になりましたし、刺激を受けました。
先生方の知りたい!学びたい!つながりたい!に応じる場を提供して参りたいと思っております。
興味・関心のある先生がいらっしゃいましたら、info@viwa.jpまでお知らせください。

key words オンライン授業 盲学校 視覚障害 弱視児 全盲 触図 教材 点字指導

viwa 奈良里紗

2020年5月12日火曜日

【視覚技塾】新型コロナウィルス蔓延下にあるアメリカ視覚障害者の今 実施報告

皆様


viwaの谷田光一です。

去る5月1日に「【視覚技塾】新型コロナウィルス蔓延下にあるアメリカ視覚障害者の今」を開催しました。
これにはインターネットを通じて64名の方が集うことができました。

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻なアメリカにおいて、視覚障害者がどのような生活をされているのか気になりますよね。
話題提供者としてアメリカ在住の視覚障害者、田中恵さん(Washington Council of the Blind)とオンラインでつなげてお話を伺うことにしました。

今回はスタッフも参加者もステイホームで行う、ウェビナー形式です。
質問者を希望する方にはメールで手を挙げていただき、司会が質問者をあててから話していただくという形で行いました。

まず恵さんからアメリカの現状についてお話がありました。
日本に比べてPCR検査が多いことや、いち早くドライブスルー方式のPCR検査を取り入れていたことなどが報告されました。

アメリカの特徴として、2つのことが紹介されました。
一つは住居補償への対策です。
たとえ家賃が支払えなくなっても、大家さんが直ちに立ち退きを要求してはならないという措置が施行されました。

もう一点は、日本は緊急事態宣言に基づき都道府県知事が自粛要請を発表しましたが、アメリカでは州知事が事実上の外出禁止令を指示しています。
 
障害当事者の暮らしについても伺いました。
まずオンラインの飲み会や会議が多いそうです。
もともと電話を使ったオンラインの会議システムを使う習慣があり、zoomなどを使うのにも抵抗が少なかったそうです。

視覚障害者でGoogleやMicrosoftに勤めておられる方のテレワークについても伺いました。
結論は影響なしです。
従来からオンラインで仕事をしていたため、今まで通りの仕事をしているそうです。

恵さんに「在宅をどう楽しむか」を聞いてみました。
公園への外出は認められているので気分転換できるそうです。
自宅の中では70年代のロックを聞きながらテンションを上げて家事をこなしているんだとか。
そしてやっぱりオンラインで仲間とつながっておしゃべりする時間も作られているようです。

イベントの詳細は下記にてご覧いただけます。








今回のイベントは4月28日に話が持ち上がり、5月1日に開催されるというスピード開催でした。
恵さん含めスタッフの強い協力があったからこそ開催できたのだと思います。
逆に準備期間が短いことから、参加者への配慮が欠ける点もありました。
参加が叶わなかった方には申し訳ない気持ちでいっぱいです。

イベントは2時間で中締めしましたが、その後1時間の延長戦に突入しました。

コロナショックの中、視覚障害者の孤立が問題になっています。
このような企画で一人でも多くの方の孤立をなくせればと思います。

今後は更なる改善をし、多くの方に喜ばれる企画運営を目指してまいりますので、ご注目ください。


key words 視覚技塾 新型コロナウィルス アメリカ 視覚障害者 当事者団体 テレワーク


viwa 谷田光一

2020年5月10日日曜日

第4回オンラインパパママ会実施報告

皆様


こんにちは。viwaの奈良里紗です。

5月最初のオンラインパパママ会には、眼科医の仲泊聡先生と、視能訓練士の田中恵津子先生にいらしていただきました。
オンラインパパママ会が始まったころから、ロービジョンのお子さんの眼科受診はどうしたらよいかということが話題にあがっていました。
そのほかにも、家庭で学習する時間が多くなり保護者の方が見え方のことで気になることも増えてきたようでした。
そんな状況でしたので、医療の専門家にご参加いただき、本当にありがたかったです。

今回は7家族の皆さんにご参加いただきました。
参加された方からは、
「普段、目のこと、聞きたくてもなかなか聞けないので、眼科医の先生と直接お話できてとてもうれしかったです」
「本当は途中で退出する予定だったのですが、皆さんの話に聞き入ってしまい、あっという間に時間が過ぎてしまいました」
「医学的に、子どもの目のことを意外とちゃんと理解していなかったということに気づきました」
「科学技術の進歩でもしかしたら将来眼の病気が治るかもしれないという希望ももちつつ、でも、今親としてできることをしっかりやっていきたいと思いました」
「サプリ、効果があると信じていたので、あまり効果がないと聞いてすごく勉強になりました」
「目を近づけたらいけないとずっと思っていたので、目を近づけたり、親からみると眼が悪くなりそうって思うような環境であっても、本人がそれで見やすいのかということを確認することが大切なのだと学びました」
などなど、多くの感想をお寄せいただきました。
眼に関する正しい情報を入手する場は、本当に大切なのだなと改めて感じたパパママ会でした。
オンラインパパママ会は金曜日の夜21時から開催しています。
興味・関心のある方はinfo@viwa.jpまでお問合せください。

key words 親支援 子育て ロービジョン 未熟児網膜症 治療
viwa 奈良里紗

2020年5月6日水曜日

視覚障害者に対するオンラインイベントの3つのアプローチ

皆様


viwaの谷田です。

ここ1か月で視覚障害当事者の中でも、オンラインツールが多用されています。
今回、私が関わり、活用した3つのオンラインツールについてご紹介します。

1.背景
 コロナによる自粛生活の影響で視覚障害者は孤立した生活を余儀なくされている。例えば、公共施設が閉鎖され、また同行援護も受けづらく、さらに職場へ出勤することさえも制限されている。
 そこでインターネットを活用した視覚障害者の「孤立をなくす」取り組みができないかと考えた。


2.方法
2-1.既存の方法
 すでにインターネットは視覚障害者のコミュニケーションに活用されている。例えば、メールやSNSである。
 メールは生活訓練でも取り入れられ、視覚障害者もサポート側も多くいるようである。
 LINEやFacebookメッセンジャーの利用者は多いが、画面を読み上げるスクリーンリーダーを用いての操作方法を示したドキュメントが公知されておらず、サポートできる人も限られている。ただし、視覚障害者は独学でSNSを使いこなせている人が多いようだ。

2-2.ツール検討
 オンラインイベントを行う上でのツールの特性を調査した。

・LINE
最大接続数:200人
主催者はあらかじめグループを作成する。
参加者は普段LINEでメッセージをやり取りしている人であれば、比較的簡単なフォローで接続できる。

・Skype
最大接続数:25人
主催者は"meet now"機能でURLを作成し配布する。
参加者はURLをタップするだけで参加することができる。普段やり取りをしていない人も参加しやすい。

・Zoom
最大接続数:100人
主催者はURLを生成し配布する。有料アカウントでないと40分で通話が終了してしまう。
参加者はURLをタップするだけで参加することができる。有料アカウントでなくても参加側はOK。
Skypeに比べ多機能で、例えば主催者から参加者全員をミュートにすることもできる。
ただし、LINEで参加用のURLをクリックしてもzoomを開くことができない場合が多い。zoomのURLを送るときは、LINEよりメールのほうがよい。

2-3.アプローチ
 背景やツール、イベントの規模などから3つのアプローチを提案した。
(1)コミュニティ型
ツール:LINE
規模:10名まで
※以前より顔見知りのメンバー
※LINE IDを参加者同士が知ることになるため、知り合い同士の利用に適している。

(2)ディスカッション型
ツール:Skype (meet now機能)
規模:5名程度
※新しく出会うメンバー
※URLをクリックするだけなので、事前にSkypeIDを交換する必要はない。
※Skypeのアプリが入っていなくても参加することができる。

(3)ウェビナー型
ツール:zoom
規模:100名まで
※不特定多数。
※個人情報は主催者にしか閲覧できない。
※有料アカウントの場合、複数人が主催者としての権限をもつことができる。
※有料アカウントの場合、録画ができる。

3.実施報告
 ここでは3つのアプローチについて実施した内容を報告する。

(1)コミュニティ型
 10名程度で毎月定例会を行っていた視覚障害者団体に対し、LINEでのオンライン定例会を開催した。
 以前からLINEでのメッセージのやり取りがあり、比較的スムーズにLINEグループを作成することができた。フォローも特にしなかったが、接続することができた。
 特に進行役も立てなかったが、普段から発言が少ない人をフォローする習慣があるため、オンラインになったからと言って不自由はないようであった。
 ただし、途中で参加した人が気づかれないケースもあり、参加者に声を出す勇気が求められる。

(2)ディスカッション型
 SNSなどで告知し普段知り合いでない方を5名集めディスカッションを行った。
 Skypeのmeet now機能を使えば、簡単に会議開催用のURLが作れる。普段LINEを使っていない参加者でも参加できる。
 進行役を立て、基本的に進行役があててから話してもらう形とした。参加者の中には話が長い方もいたが、進行役の技量でディスカッションが滞らないようにできた。
 人数は5人程度がよい。それ以上になると進行役が把握しきれず、発言できない人や疎外感を感じる人が出てくる。

(3)ウェビナー型
 SNSやメーリングリストで広く公募し、不特定多数のメンバーが参加した。
 不特定多数であるため雑音の問題があった。少人数では雑音を指摘できるが、多人数では指摘が難しい。そこで「すべてミュート」機能があるzoomを使用することとした。
 スタッフとして司会、話題提供者、裏方(2名)の合計4名を配置した。開始時間から「すべてミュート」を行い司会と話題提供者のやり取りとした。
 質問がある場合、参加者から空メールを送っていただくようにし、裏方はメール受信したら司会に伝え、その後質問者のミュートを一時的に解除する形で行った。
 参加者の中には表示名が実名でない場合もあり、zoom内のリストから質問者を探し出すのは大変であった。
 視覚障害者の中では、zoomはまだなじみのないオンラインツールのため、ウェビナー開始1時間前から接続テストの時間を設けた。このとき、スクリーンリーダー同士が、操作に必要なショートカットキーの情報をやりとりしていて相乗効果が認められた。
 チャット機能については、voiceoverやPC-talker等でチャットが書き込まれるたびに読み上げられ、演者の音声が妨げられる可能性があったため、チャット機能の使用は控えてもらった。
 裏方スタッフは事前にLINEグループを作成した。質問メールをスタッフAが受け取り、それを直ちにLINEグループに転送することで、司会者Bは進行の段取りを、ミュート解除担当のスタッフCは次の発言者のミュート解除手続きを行うことができた。
 運営メンバーは全員、ロービジョン者であったが以上のような運営上の工夫を行うことで対応ができた。

4.まとめ
 アプローチを検討するうえで各ツールの機能を知ることが大切であった。独りですべての機能を熟知するのは困難で、機能を試すにも一人では試せない。チームでイベントをデザインしていくことが必要だと感じます。
 また、アプローチをシェアすることが大切だと思います。真似をしたり改善したり、知見を積み上げていくことで質の高い視覚障害者向けオンラインイベントが波及すれば幸いです。

key words オンライン 視覚障害者 アクセシビリティ LINE Skype zoom 

viwa 谷田 光一

viwaスタップ紹介~谷田光一~

はじめまして、谷田光一と申します。


視覚障害者2級の弱視です。現在は妻と二人暮らしをしています。仕事はエンジニアとして某メーカーで勤務させていただいています。

大学4年生の夏、突然弱視になりました。就職の内定も決まり、残すところ卒業論文のみということで、学生生活最後の夏を満喫していました。突然、視界が悪くなり、病院へ行くとそのまま緊急入院と緊急手術でした。

その後、7回の手術と療養を取り、2年後に大学へ復帰することができました。障害者手帳を受け取る窓口で、「私に何かできることはありますか」と尋ねました。たまたま同施設で視覚障害者へのパソコン訓練をしている部署があり、そこでお手伝いするようになりました。
それから2年、ようやく卒業論文も終えることができ、就職も勝ち取ることができました。

現在ではエンジニアとして働く傍ら、視覚障害者団体に複数所属して活動させていただいています。
今思えば弱視になったことが幸いしていると思っています。以前は自分のために生きていました。勉強し、スキルを積み、就職をする、どれも自分のためです。視覚障害者のパソコン訓練に関わる中で、他者に尽くす精神を学ばせていただきました。今はこんな素晴らしい世界に飛び込めて幸せだったと思っています。

かつてベートーベンは難聴で音を失う中、「歓喜の歌」を作り上げたそうです。音楽家にとって最も大切な音を失う中、どうして「歓喜の歌」が作曲できたのでしょうか。凡人の私には理解できないことです。
しかし、我々には困難を価値的にとらえる能力があるのだと信じています。一人一人の人生がより価値的になるようお手伝いできればと思います。


休校中の学習保障お役立ち情報

皆様


こんにちは。viwaの奈良里紗です。

第3回オンラインパパママ会のゲストである片平(海野)先生が有益な情報を提供してくださいましたので共有します!
ぜひ、休校中の家庭学習に活かしてください!

**ここから
静岡視覚特別支援学校教諭の海野(片平)です。
★休校中の家庭学習にご活用ください。
★地域の学校に通っている弱視児向けの内容が多いですが、お子様の実態に応じて必要な情報をお読み取りください。

1 漢字の学習について
休校期間中なるべく該当学年の学習を進めておきたいということで、漢字学習は比較的家庭でも取り組みやすい学習内容の一つではないでしょうか。
弱視児の漢字学習は、「量より質」を大切にして下さい。通常校の漢字の宿題は、漢字ノートに何回も繰り返し書くというものが多いかと思います。見えにくさのあるお子さんは、繰り返し書いているうちに、上の方に書いてある正しい字形を見て確認することが大変になってしまいます。後に自分が書いた間違った字を何度も書き写してそれを覚えてしまうことに…。
練習をするなら回数ではなく、正確に覚えることを優先して下さい。本人にもそういう意識をもたせます。「書く回数はなるべく少なく。でも、じっくり見て丁寧な字で書き写す!」をモットーにするといいと思います。やり方の例を下記に示しました。試しにやってみてください。
※担任の先生の指示と違うことをやることになりますが、じっくり説明をして、見えにくさのある子が理解しやすい学習方法で実施したいことをお伝えしてみてください。

<漢字練習の例>
①正しい字のお手本を左側に書く。(左利きの場合は、右側に書く)

②自分で完璧(覚えた、間違いなし)と思える字を二回書く。2回目でも自信がない場合は、もう一つ書いてみる。丁寧に書かないと何度も書くことになるので、自然と丁寧に書き写すことを意識し始めます。
※2回で上手に書けたらたくさんほめてあげてください。

③ノートに余白が余っても気にしない。
※余白は、テストで間違えた時にもう一回書く時にも使えます。

④どうしても間違えてしまう字は、大きくはっきりしたお手本を横に置いて見せる。
※「筆順辞典」(無料)アプリがおすすめです。
https://apps.apple.com/jp/app/%E5%B8%B8%E7%94%A8%E6%BC%A2%E5%AD%97%E7%AD%86%E9%A0%86%E8%BE%9E%E5%85%B8-free/id453410542






※広島中央特別支援学校の先生の作られた漢字練習プリントの例もおすすめです。
http://www.hiroshima-sb.hiroshima-c.ed.jp/kenkyu_kensyu/jiritukatudou_sidousyo/salf-support_book/4-11.pdf

2 地図学習について
 今年度から3年生で地図帳を使った学習がスタートします。地図の読み取りは、視覚障害児にとってとっても苦労するものの一つです。
見やすい地図も販売されていますが、みんなと同じ地図帳を使うようなら視覚補助具や拡大読書器等で見やすくする工夫が必要です。

<導入期>
①地図のパズルで遊ぶ。
※くもんの地図パルがおすすめ。立体的、色で判別できる。
②ポスターサイズの地図をいつも見える位置に貼っておき、旅行に行く時や親せきの話をする時、お菓子や食品の
産地等、子どもにとって身近な話題が出た時に地図で確認する時間を設ける。
※ポスターも見えにくいので、見る際はiPad等で写真にとって拡大して見せるようにする。
※まず全体を確認させて、次に拡大したものを見せ、また全体の地図で指差しをさせて子供が見ているところがどこなのか確認する。
③地図学習アプリを活用する。
※iPhoneアプリで「地図エイリアン」(東北地方だけ無料)や「地図パズル」(無料)がおすすめ。
④お出かけの前には、Googleマップで行先を確認する。車で移動している際も疲れない程度に地図を確認していくのもよい。(青い現在地マークがどちらの方向に移動しているかわかる。四方位の名前も伝えておく。)
※町の様子も一緒に伝え、北や南に進むと窓の外の景色がどのように変化していくのか情報を伝えてあげる。

例:「家がだんだん少なくなってきたね。」「お店屋さんが多いね。」「国道という広い道を通っているよ。車がたくさん通るね。」「海が見えてきたよ。」「海沿い(山沿い、線路沿い)を移動しているよ」等。

<授業が始まったら>
地図帳の地図は、情報量が満載です。高低、川、山脈、県境、県庁…とたくさんの情報が詰まっています。
弱視児向けの地図は、なるべく高低(色での区別)や山脈や川だけの地図。主要な道路と線路だけの地図。
というように、情報を精選した地図を作ることが多いです。特に県境や川等は濃く、はっきりと書いておきます。

以下に、通常級で地図学習をする際のヒントを書いておきます。
①クラス一斉に誰が一番早く目的の町や、川、山脈等を見つけられるか競うような学習活動には、参加しない。または、担任に参加しないことやなるべくそういう活動をしないようにお願いしておく。
※これは、辞書の早引き競争の際にも同じ配慮をしてもらう。

②索引を活用する。索引の文字は、とても小さいのでルーペをやiPadを活用する。

③できれば、見やすい地図を活用する。
筑波大付属の先生方が作られた「みんなの地図帳~見やすい・使いやすい~」がおすすめです。定価2000円 
 https://h-navi.jp/column/article/35027428

《写真②③》







3 その他、休校中の学習保障についての情報提供
①「ちびむす」(PCサイト)
・学習プリントが学年別、教科別に無料でダウンロードできるサイト。
・ノートのテンプレートもあるため、ノートがなくなる緊急事態にも対応!
※カラーの方がお子さんも喜ぶかと思うのですが、カラー印刷だと淡い色になってしまうので、白黒印刷をお勧めします。ノートも罫線が薄いので、濃くする設定にして印刷してみてください。
※直接iPadでダウンロードして、PDFファイルにしたり、ノートアプリに添付したりすると小さい文字のプリントも大きくして書き込みすることが可能です。
https://happylilac.net/syogaku.html

②NHK for  School(アプリもPCサイトもあり)
・NHKで過去に放送された教育テレビが科目別、学年別に検索できます。学校が本格的に始まる前に予習できる番組もあるので、一見の価値ありです。
https://www.nhk.or.jp/school/

③Eテレ フライデーモーニング・スクール(TV番組)
・オンライン授業や自習をすることが難しい小学生低学年~向けにNHK教育で理科や社会、プログラミング、生活科等、新学習指導要領による「新しい学び」を意識した番組がスタートしました。毎週金曜日の朝9時からの放送です。NHK for Schoolの動画もテレビで使用できます。
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=23139

④学校チャイム(スマホアプリ)
・時間管理アプリ。学校と同じ時間割で学習したり、休憩したりできます。生活リズムを整えるためやお子様の自主性を育てるために、1日の生活についてお子様自身で
遊ぶ時間、勉強時間、入浴、就寝等決めて生活できるといいかもしれません。
https://apps.apple.com/jp/app/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%A0/id1023234803

⑤福島盲の体育の先生作成の「家でできる体力トレーニング」(動画)
・声での情報保障がしっかりしているので、動画に頼らず声だけの指示で体を動かすこと
ができます。真剣にやると結構よい運動になります。

⑥「新型コロナウイルス感染症による外出制限下での視覚障害のある子供達の学びを支えるための情報源」
・慶応大学の中野先生が立ち上げられたHP。小学生~大学生に関わる全国から寄せられた内容の濃い情報のリンクが貼ってあります。ご活用下さい。
https://psylab.hc.keio.ac.jp/4vi/

★最後に…
 子ども達にとって一番大切なのは、保護者のかたの温かい励ましの言葉と、頑張っている姿や結果を賞賛の言葉です。休校期間中、子どもたちの生活リズムや学習環境をご家庭の中で作っていただけるとありがたいです。
学校再開まで、もうしばらく子供たちの「学ぶ意欲」を高めたり、生活リズムが崩れないよう、見守りや応援をしてあげてください。よろしくお願いします。
**ここまで


片平先生、本当に貴重な情報提供ありがとうございました!
このほかにも、盲学校の先生方からの情報提供がありましたらinfo@viwa.jpまでお願いします。

有意義な休校生活を子どもたちが過ごせるようご協力のほど、よろしくお願いいたします。

key words 休校 家庭学習 弱視 盲学校 

viwa 奈良里紗

2020年5月3日日曜日

【臨時掲載】“viwa”メールマガジン 225号

※現在、システムトラブルが発生しており、毎月2回配信しております“viwa”メールマガジンの配信ができない状況にあるため、225号をブログ記事として掲載しております。
トラブルが解消しましたら従来通り、ご登録された方にメールにて配信いたします。
なお、前回のメールマガジン(2020年4月19日発行)で同トラブルにより配信ができていない宛先があることが確認されました。
メールマガジンが受信できなかった登録者の皆様には、ご心配をおかけしてしまい申し訳ございません。
本メールマガジン225号の内容は、224号の内容を一部再送させていただきますので、内容が重複することをご容赦ください。
以下より、メールマガジン225号をお楽しみください。




“viwa”メールマガジン 225号
  
                                  2020年5月3日発行





こんにちは!viwaの村上です。

緊急事態宣言により、ご自宅で過ごす時間が多くなりましたね。
疲れた時は「疲れた」と、不安な時は「不安だ」と親しい人に少し声にして伝えてみるのも大切かもしれませんね。


それでは、viwaメールマガジンをお届けします!!


★もくじ★
1.Staff blog紹介
◆viwaスタッフ紹介~御園~
◇初☆オンラインパパママ会実施報告
2.イベント・活動情報
◆<緊急実施!>新型コロナウイルスによる視覚障害児・者のお困りごとアンケート
◇<御礼>【視覚技塾】新型コロナウイルス蔓延下にあるアメリカ視覚障害者の今
3.編集後記~村上氏のつぶやき「テイクアウト」



1.Staff blog紹介
◆viwaスタッフ紹介~御園~


viwaに新しいメンバーが加わりました!
御園(みその)さんです。


自己紹介記事では、気になる内容が続々!
ぜひご覧ください。

記事詳細はコチラ↓↓
http://www.viwa.jp/2020/04/viwa.html




◇初☆オンラインパパママ会実施報告

緊急事態宣言の発令により皆様の日々の生活にも直接影響がでているのではないでしょうか。


そんな中、現在パパママたちにとっては、子どもと濃密な時間を過ごしているのではないでしょうか。

記事の続きはコチラ↓↓
http://www.viwa.jp/2020/04/blog-post.html




2.イベント・活動情報
◆<緊急実施!>新型コロナウイルスによる視覚障害児・者のお困りごとアンケート

新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中で様々な問題が発生しております。
皆様の生活にも多少なりとも影響が出ているものと思います。


この度、viwaでは視覚障がいのある皆様が日常生活、学校生活、就労等、様々な場面で直面しているお困りごとを伺いたいと思い、アンケートを行うことといたしました。

詳細については、以下のアンケートリンク先よりご確認ください。

アンケートはコチラ↓↓
https://bit.ly/34BEPuZ


一人ひとりが今できる事を、ともにこの緊急事態を乗り越えましょう!!


◇<御礼>【視覚技塾】新型コロナウイルス蔓延下にあるアメリカ視覚障害者の今

2020年5月1日に、オンラインによるウェビナー(セミナー)形式にて、視覚技塾を開催させていただきました。
ご参加いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。


当日は60名を超える多くの方々にご参加いただき、講師の田中恵様による話題提供だけではなく、参加者からの質疑応答も活発になされ、視覚技塾を盛況に開催することができました。

事務局としては、初めてのウェビナー形式での実施ということもあり、トラブルもありましたが、皆様のご理解のもと進行することができました。

今回の開催報告については、後日ブログ記事にて掲載予定です。
今後も様々なテーマで視覚技塾を企画いたします。


今回のイベント告知記事はコチラ↓↓
http://www.viwa.jp/2020/04/blog-post_5.html




3.編集後記 ~ 村上氏のつぶやき「テイクアウト」viwaメールマガジンはいかがでしたでしょうか?


全国的に外出を控え、ご自宅で過ごされている方ばかりかと思います。
それぞれの立場や役割の中で、皆が頑張っている中にあるのかなと想像しています。


自宅で過ごすことが多くなった私の楽しみのの一つは、テイクアウトです。
今までは外食することが楽しみだったのですが、お店の味を自宅で食べること、そのために、ネットや電話で予約すること、お店についたら、もうテイクアウトができ上がってて受け取るだけ、、、そんなテイクアウトを楽しみの一つにしています。


先日、バーミヤンのランチ弁当をインターネットから予約しました。
登録手続きをしてから商品を選び、注文。
注文すると、登録していたメールアドレスに、出来上がり目安の時間が表示されます。

出来上がる頃に合わせて、運動がてら徒歩でお店まで移動すると、カウンターに声をかければ待つことなくお弁当が出来上がっていました。
あとは会計を済ませるだけ。
店内での滞在時間はほとんどありません。

お弁当自体も満足感のあるボリュームで、運動もできていい気分転換になりました。


普段、ちょっと入れなかった街の中華屋さんや串カツ屋さんもテイクアウトメニューをスタートさせていました。

もちろん、お店で食事をとることは控えていますが、こういう機会じゃないと、見つけられなかった楽しみもあるんですね。

多かれ少なかれ、何らかのストレスを抱えてしまう時期ですね。
そんな中でも、ちょっとした、些細な楽しみが見つかるといいですね。

皆さんのご自宅での楽しみは何ですか??


次回メールマガジンもお楽しみください。


配信元:視覚障がい者ライフサポート機構“viwa”
お問い合わせ:info@viwa.jp
URL:http://www.viwa.jp
Twitter: viwa_staff
※本メールマガジンは毎月2回、第1・第3日曜日に配信しております。
※配信停止をご希望の方は、info@viwa.jpまでご連絡ください。